2014年2月3日月曜日

即吟の力

昨日は、私にとって毎月最大のイベントである下萌句会が、汀子先生のお宅で開かれました。参加者は先生を含めて23名。兼題は「春寒」・「春時雨」・「紅梅」と嘱目。5句出句の5句選。月1回の、真剣勝負を挑む日です。加えて、これが最大の眼目なんですが、私の選と汀子先生の選との一致を確認する機会でもあります。先生の選との一致率が低下して来ますと、講座や句会を通じて、自分の選が正しくできていないことになりますので。

今回の句会に備え、1か月掛けて5句準備しました。マネージャー役の家内も「今月のは良いね」との評価で、私もそれなりに自信がありました。さて句会が始まりますと、見事な句が怒涛のごとく押し寄せました。これでもかこれでもかと、アッパーカットやボディブロウが飛んできます。互選では見事に坊主でした。

その要因は、即吟が出来なかったことにあります。句会が始まる前にほとんどの方が庭に出て、咲き始めた紅梅を鑑賞しました。やがて句会が始まると、即吟で詠まれた紅梅の句が、合戦の矢合わせの矢の如く、大量に飛んで来ました。目の前に当日の兼題が咲いているのです。即写生する力が問われたのです。机の上で詠んできた紅梅の句に、勝ち目は有りません。情けないほど迫力が違いました。全員が同じものを見、何とかものにしたいと思っていた句が目の前に提示されれば、思わず迷わず、採ってしまいます。これに負けたのです。

最終的には、「春寒」で詠んだ句が一句、汀子先生の特選に入りましたが、今回はそれだけでした。即吟力の恐ろしさを実感した一日。打たれ続けて、くたくたに疲れて帰りましたが、一致率指は75.6とまずまず。先生の句は2つ、特選10句のうち5句が採れました。倒れても只では起きないのが私の信条です。

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