和歌山県田辺市に本社のある紀伊民報(当時は紀伊新報)の昭和5年12月7日付けの紙面に、五十嵐播水選による第1回目の紀伊俳壇が掲載されました。その後、播水から哲也に継承され、平成27年3月からは伸一路が担当して、今年で91年になります。その紀伊民報紙上に新しい俳壇を設けることになりました。
田辺市在住の中南米協会の眞砂代表のご協力を頂いてブラジル在住の俳人から投句を募り、紀伊俳壇の選者に選をして貰って紙上に発表しようという企画です。社内で準備が進められ、私も提案を申し上げました。そして、社長のご決断により新しい俳壇の設置が決まったのです。
ブラジルからインターネットで20名の方の句が寄せられ、選は私が担当しました。そして今月3日付けの紙上に、ブラジル俳壇と命名した新しい俳壇が登場したのです。サンパウロ市、サンパウロ州、マットグロッソ州、アマゾン州など各地から句が寄せられました。田辺市がかつて中南米移住者の大きな拠点の一つであった事から、今でも日系の方々と深い交流が有ります。問題点は、日本とブラジルでは気候が逆であること。ブラジルの正月は夏の季題です。季節感が逆の季題をどのようにして詠んで頂くか。2月募集の兼題が「梅」だったのですが、ブラジルの皆さんは多分戸惑われたのでは、と思っています。今後の問題として検討して行きたいと思っています。
もう既に2回分の選をしましたが、在留の方の日本語の古典文法の正確な事に驚きました。どのようにして古文を学ばれたのか分かりませんが、素晴らしいことです。紀伊俳壇の投句者には、よい刺激になるのではと思います。二つの俳壇が刺激し合って、切磋琢磨し合って発展していければと思っています。加えて新し俳壇の選が、日伯両国の親善のお役に立てればと念願しています。
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