我が家のベランダでは5鉢の巨大な君子欄が満開です。ベランダから下を見ると、50メートル続く、マンションのつつじの生垣が満開。机の上にはピンクの胡蝶蘭が花を6つ付けています。まさに春爛漫です。
ところで、「俳句界」5月号に、金沢の今村征一様のお句が掲載されていますので、勝手に披露させて頂きます。野鳥俳句教室でも、征一様のフアンが増えて来ました。嬉しいことです。
春浅し 今村征一
春浅し松籟荒ぶ震災碑
日差し濃くとも浅春の芦屋川
春浅き渚で拾ふ虚貝
万蕾にみなぎる力春浅し
ひと時を虚子と問答浅き春
一読して、芦屋の虚子記念文学館に来られた際にお詠みになった句だと分かります。芦屋の松浜公園の一角に、汀子先生のお句を刻んだ震災碑が立っています。
震災に耐へし芦屋の松涼し 汀子
芦屋川は鉄砲川で、芦屋の山地に雨が降ると水がどっと流れますが、梅雨の時期を除くと、国道43号線に架かる永保橋から南側は、ほとんど年中枯れ川です。春の小川の光景は、3日と持ちません。
芦屋川の伏流水は河口の浜辺で湧き上がります。冬の間は鴨が群れ、春は潮干狩りで賑わいます。浅蜊の貝殻が、沢山打ち上げられ、阪神間では数少ない砂浜です。
4句目の万蕾は、虚子記念文学館の玄関の桂の大樹でしょうか。春浅し、という季題が効いています。この句から題を選ばれたのでしょう。
最後の句は、記念文学館での感慨でしょう。虚子という巨人が実際にこの世に居られ、この空気を吸っておられた。目の前にある短冊を書いておられ、この文化勲章を首に掛けておられた。そのことを実感できるのが、この記念文学館です。このような句を詠んで頂けることは、芦屋市民としても大変嬉しいことです。有難うございました。
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