2022年2月16日水曜日

早春と浅春

 二月も半ばというのに、外は雪がちらついています。阪神間で雪を見るのは年に二・三回でしょうか、それも風花のような軽い雪です。リビングの蘭の棚では、デンドロが咲き始めました。シンビジュームや胡蝶蘭の蕾が膨らんで来ています。

今回は早春と浅春について、再度になりますがお話します。上記の文章の中に、浅春の部分と早春の部分が隠れていることに気付かれたでしょうか。答えから言いますと「二月の半ばというのに外は雪だ。いつまで寒いのだろう」この部分が浅春。「リビングの蘭の棚では、デンドロが咲き始めました」の部分が早春。

これでお分かりのように、浅春には気分的な感情が含まれているようです。「いつまで寒いねん。ええ加減にして欲しいわ」という「ぼやき」に似ています。「往生しまっせ」という漫才のギャグが有りますが、まさに浅春はこれです。

これに対して早春は「何ゆうてんねん、もう春やで。蘭も咲き出したやんか」と、寒いながらも春が来たことを素直に喜ぶ感じです。どちらかというと若者の受け止め方のようです。

時期的にも同じで、要は受け止め方の違いです。昨日までが浅春で今日から早春というものではありません。詠もうとする思いにどちらの季題が合うか、それだけのことです。読者に自分の思いを的確に伝えるためにどちらを選ぶか、良く思案してみましょう。

     早春の森や散歩の歩の軽く     伸一路

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