俳句結社誌の主宰の最大の仕事は雑詠を始めとする、作品の選である。9月号の雑詠も選が終わり、編集部の皆さんによる校正が始まった。退会される方と入会される方のバランスが取れ、投句者数は安定して来ている。
さて今回は、9月号の雑詠の選を終えた感想を少し述べてみたい。先ず第一に失名について。投句用紙の表紙には住所と名前とが書かれているのに、裏面の作品欄の「地区・姓名」の欄が書いてない作品が幾つか有った。私の方で、表紙を見て補っておいた。もう何か月も「地区・姓名」を書かない人があり、困っている。8月号の選の際には、裏も表も名前が無いのが有った。切手の消印の郵便局名や筆跡から作者が判明したが、分からなければ折角の作品が「失名」という名の、名無しの権兵衛になってしまうところだった。
なお、地区の欄には最少行政単位、つまり市部にお住いの方は、市を除いて、例えば「神戸」とか「豊橋」と、郡部にお住いの方は町を除いて、例えば「河合」とか「白浜」とお書き願いたい。
もう一つは、投句欄の訂正が多いこと。投句をあらかじめノートに書いておいて、それを投句用紙に丁寧に清書して頂きたい。その際に間違ったら、紙を張るなり修正テープで消すなりして、読めるように丁寧に訂正して頂きたい。訂正印を押す人があるが、役所に出すのではないから訂正印は要らない。それから、投句用紙に書いてから推敲するのは止めて頂きたい。十分推敲してから書いてほしい。投句用紙の書き方で、その方の俳句に対する向き合い方が分かる、と聞いたことが有る。ボールペンでごしごしと塗りつぶしてあるのを見ると、選の意欲が鈍る。
人様に見て頂くものであり、心を込めて書いて頂きたい。
平和なる里の暮しを大出水 伸一路
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