去る3月16日、住吉大社吉祥殿に「かつらぎ」・「未央」と「九年母」の各結社の主宰が集合して、今年度の松苗神事献詠俳句の最終選考会が開催されました。今回の応募総数は481句。どの句も真摯に詠まれていて感じの良い句が多かったと思います。かつては、植樹の神事であるのに、御田植祭や観月祭の残り物の句が散見されたものですが、今回はそのような句がほとんどなく、まじめに植樹の句に取り組んでおられたような印象を受けました。但し、一時期流行した「水の地球」とか「この星の平和」などの既成品の言葉が今なお残っていたのは残念でした。
季題の使い方の誤りが幾つかありました。「苗木植う」がスタンダードな季題で、大半がこれで詠んでおられましたが、「松植ふる」や「松植ゆ」と詠んでおられる句もありました。正しい文法で詠むことが大切です。
ところで九年母会の会員が今年も大活躍され、天地人3賞と佳作10句、合計13句の内5句を九年母が占めました。最終選考に残った九年母の句は6句。うち1句は残念ながら類想句があるという判定で入選には至りませんでした。同席の選者お二人の結社の成績は、いずれも2句ずつでしたので、九年母の5句は見事な成績です。
地賞 伸びらかに春風掬ひ巫女の舞 美惠
佳作 とびきりの笑顔の植うる苗木かな 拓男
同 匂やかや植ゑし苗木も巫女舞も 由美子
同 育ちゆく日々の喜び苗木植う 裕子
同 松籟や東風に乗りくる遠汽笛 彰子
コロナ禍が終息に向かっており、マスクの着用が自由化されたこともあって、久しぶりに直会(なおらい)が復活します。植樹の神事に引き続いて表彰式が行われ、その後、神職や入選者がお供えのお神酒などを頂く直会が催されます。吉祥殿は結婚式場でもあり、腕に自慢のシェフの料理が楽しめます。今年はフレンチか和食か。当日のお楽しみです。
来年も頑張って良い句を詠んで、直会を楽しみましょう。
0 件のコメント:
コメントを投稿