2019年12月29日日曜日

今日の二句  その4

姫路のゆめタウンKCCでの句です。

おでん屋の湯気に吐き出す憂さの山

互選では良い成績の句でしたが、私は頂きませんでした。それは、「おでん屋」と「憂さを吐き出す」という言葉に、常識と通俗性を感じたからです。俳句は詩です。常識は詩ではありません。常識を超えたところに詩が有ります。読者の誰もがハッとするような、詩情豊かな句を詠みたいものです。

長年のなじむ大鍋おでん煮る

「長年のなじむ大鍋」という表現はこれで良いでしょうか。私は「長年」と「なじむ」とは同じことを重ねて言っている様に思えます。長年=なじむ、という図式です。例えば
「なじみたる大鍋に煮るおでんかな」とすれば「長年」が無くても、長い間なじんで来たと云うことが伝わって来ますね。

今日のパロディー句   階段に足をとられてもらひ瘤   お順
           (朝顔や釣瓶とられてもらひ水   千代女)

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