今年最後の句会が姫路支部でありました。
帰り来ておでんの匂疲れ解く
意味は分かりますが、三段切れになっています。中七はおでんの匂いに、としないと日本語としてとおかしい。だけどそうすると字余りになる。作者の苦悩が伝わって来ます。
帰って来たらおでんの匂いがしたので疲れが解れました、これでは疲れが解れた事の報告であり、詩ではありません。詩の形にしてみましょう。それには、秘訣がありますので覚えておいて下さい。下五と上五とを入れ替えるのです。
好きな物加はへ山盛おでん鍋
この句も作者の思いは分かります。分かったからそれで俳句か。そう簡単なものではありません。この句は、鍋の料理の様子を描いただけで、おでんという季題の働きを考えていません。好きな物を加えて山盛りにするのは、おでん鍋だけでしょうか。おでんという季題のもつ、気楽さ、庶民性、家族の絆、愚痴を零す、涙、などの思いを表現出来ているでしょうか。単に食べ物として描いても、俳句にはなりません。どう詠めばよいでしょう。
今日のパロディー句 去年今年増え行く皺のようなもの 憲坊
(去年今年貫く棒の如きもの 虚子)
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