六甲道勤労市民センター俳句講座での句です。
白杖や所作美しき初詣
「白杖や」と切っていますが、句全体から見るとここは「白杖の」とした方がスムーズに「所作」に繋がって行きます。そうしないと何の所作なのか分かりません。次の問題点は、「美しき初詣」と初詣の説明になってしまっていることです。初詣で見た白杖の所作が美しかった、という感動を詠むはずだったのに、初詣の説明になってしまいました。例えば「美しき所作初詣」としてみると、「所作」が際立って来ます。
風花やふわり一ひら草に消ゆ
「ふわり」という言葉を使う場合には、他の言葉に同じ思いが含まれていないか、良く吟味しましょう。この句の場合、「ふわり」は「風花」という言葉に含まれています。風花が「どかっ」と降ることは無いからです。俳句は世界で一番短い文芸ですから、たとえ三音でも惜しみましょう。例えば、「風花の一ひら草に消えにけり」ではどうでしょう。
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