姫路の俳句講座での句です。
大寒や寒の気配の無き日なり
異常気象の影響で、スキー場では雪が降らず困っているところが多いとか。その状況をこの句は「寒の気配の無き日なり」と詠んでいますが、上五を「や」で強く切り、下五を「なり」と強く断定しています。その結果、大寒に焦点を当てるのか、(気配が)無いことに焦点を当てているのか、曖昧です。下五を「なる」と、少しトーンを落としたらどうなるでしょう。
夫(つま)の座に居ぬことさびし屠蘇の膳
ご主人を亡くされた方には納得できる内容でしょう。しかし句の鑑賞は感想ではありません。内容以前に、句の姿を冷静に眺めましょう。先ず気が付くのは「さみし」という主観的な表現。俳句では避けた方が良いでしょう。また、「居ぬ」という表現には、ご主人に対する敬愛の念が出ていません。「おわす」と詠むと、読者の印象が良くなります。
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