野鳥句会で投句された句です。
雪晴の障子の影や尚白し
障子は冬の季題ですが、この句の場合は雪晴れが季題として働きますから、障子は単なる道具と考えましょう。問題は、「影や」と切れて「白し」と再度切れることです。俳句では通常、切れは一か所とします。ならばこの句、上五で切ってみたらどうでしょう。雪晴や、と。そうすると「や」は二度は使えませんから、「影や」はおのずから「影の」となります。
高々とグラス掲ぐや新成人
最近この、動詞の終止形に切字の「や」を付ける句を頻繁に見かけます。「や」という助詞は様々な意味を表しますが、例えばこの句、グラスを掲げるだろうか、という疑問の形にも取れます。この紛らしさを避けるために私は、グラス掲げて、と詠みます。
動詞の終止形に「や」という助詞を接続する場合は、良く吟味しましょう。
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