すみれ句会での句です。
それぞれの師走を乗せて混む電車
師走を乗せて、という表現に詩情を感じますが、私は頂きませんでした。なぜでしょう。それは、混む電車という表現に常識を感じたからです。師走の電車なら混むのは当たり前です。当たり前は常識であり、常識は詩ではありません。混むという言葉を抜いて、師走を乗せし電車かな、とだけ詠んではどうでしょう。それだけでも混雑が連想できます。
お地蔵の前掛けあらた師走かな
前掛けあらた、と切れているのに、更に下五で師走かな、と切っています。俳句を詠む場合には、一句を流れる調べを整えることが大切ですが、この句では二度切れているので、一句の調べがギクシャクしています。これは一種の音感のようなものですので、古今の名句とされる句を、音読してリズム感を会得しましょう。あらたなる師走、としては如何。
今日のパロディー句 三月の見合話のうふふふふ 彰女
(三月の甘納豆のうふふふふ 稔典)
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