今日は節分。今年の恵方は南東だそうですが、恵方巻は召し上がりましたか。さて、今回はタイトルのような句を見直してみいと思います。ある句会での句です。
街犯す病魔に耐へむマスク顔
下五にマスク顔という聞き慣れない言葉があります。次の句も同じ句会の句です。
福笹を門に掲げて恵比寿顔
この句も下五が恵比寿顔です。他にも、自慢顔、涙顔など、様々な顔の下五があります。私が何故この○○顔の下五を問題にするかと言うと、手抜き工事に我慢がならないからです。本来ならば「マスクを掛けた顔」とか「恵比寿のような顔」と詠むべきところを、マスク顔や恵比寿顔で済ませようとする、横着さ・ずうずしさが勘弁出来ないのです。ですから、このような句を読むと、手を抜いたなと無性に腹が立ちます。ムカッと来るのです。ホロッと来る句かムカッと来る句かで、選者の評価は違ったものになります。
マスクして耐ふる巷の病魔かな
福笹を門に恵比寿のやうな顔
と詠めば、下五の中途半端な「顔」の表現が無くなります。○○顔という詠み方を誰かが発明して世間に流行らせたものかも知れませんが、流行に流されず、基礎に忠実に詠みたいものです。
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