令和3年 の1月が、何もしない内に終わり掛けています。句会が無いからかもしれませんが、雑詠欄の投句者数が減って来ています。本部例会・本部吟行・支部の例会などが定期的に有りますと、手元に俳句が溜まって来て、雑詠欄に出す句にも余裕が出来るのでしょうが、どうも最近は手許の句が溜まらなくなっているように思えます。俳句の力は、1日休むと3日分衰弱すると言った人がありますが、そうならないように、毎日続けましょう。せめて1日最低1句。どうしても出来なかったら、歳時記と句帳に手を合わせて「今日はご免」と謝るくらいの気持ちが欲しい。歳時記を捲って、当季の季題を眺めるだけでも良いと思います。毎日、何か俳句に関わる事をしましょう。そうしないと、自転車と一緒で、やがて乗れなくなりますよ。
さて今日は、「をり」止めの句に付いて学びましょう。ある句会での句です。
猿回し愚図る子猿を宥めをり
「猿回しが愚図る子猿を宥めています。以上で報告を終わります」報告は詩ではありません。従ってこの句は、五七五の定型を踏み、「猿回し」という正月の季題を用いていますが、残念ながら俳句ではありません。「句」の状態に止まったままになっています。これを「俳句」にするにはどうすれば良いでしょう
先ず、「をり」で表現される見たままの景を壊すことです。確かに目の前の光景はこの通りだったのでしょう。しかしそれでは「見たまんま」という句になるだけで、俳句にはなりません。俳句は詩であり、詩の形に詠まれて初めて、句が俳句になるのです。「見たまんま」である証拠が「をり」です。「こんな光景です」=「をり」です。
愚図りたる子猿を宥め猿回し
と入れ替えてみたらどうでしょう。「宥む猿回し」だったら、今度は「猿回し」の説明の句になってしまいます。説明にならないように「宥め」と切ります。
これからも「をり」止めの句が出来ると思いますが、その時には今日の勉強を思い出してみて下さい。
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