今日は2月28日。明日は3月です。当たり前のことですが、今年も2ヶ月過ぎてしまいました。この間、充実した俳句生活は送れたでしょうか。新型コロナウイルスの感染はやや収まりつつあるようで、一日も早い句会の再開が待たれます。やはり句会は楽しいですね。何より、懐かしいお顔を拝見するのが一番の楽しみです。大きな声で名乗りを上げられる日が待ち遠しいですね。
さて、俳句の原則は「今・ここ・我」と言われています。今ここで、私が何を見、何をして、何を感じたか、という事が俳句の基本的な骨格になる訳です。炬燵に入って懐かしい昔の事を思い出して、それを俳句にする、これでは臨場感も緊張感も有りません。今現在の情景を見、体験し、その中で何を感じ、何に感動したか。その感動を五七五の韻律に纏め、季題という言葉を通じて読者に届ける。届けられた感動は、読者の心の中で、音叉の様に共振し、共鳴するのです。
母の読むかるた集ひし日の遠く
句会に投じられた句ですが、「今・ここ・我」という俳句の原則に基づいて詠めているでしょうか。幼い頃の母の思い出であれば、「今・ここで」という原則に沿ったものではありません。母の読むかるたを聞きながら、ふと幼い頃の遊びを思い出したのであれば、この原則に適うでしょう。今、目の前におられるお母さんの読まれるかるたを聞いて、幼い頃もこうだったなと、懐かしい思いで一句に纏める。これならば原則に沿った作り方です。今現在の情景を描いて(写生して)、その情景から過去の思い出にさかのぼって行く、という描き方です。
降る雪や明治は遠くなりにけり 草田男
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