今日は野鳥句会に出席しました。兼題は「残雪」「鶯」、席題は「蛇穴を出づ」でした。春の季題には、総じて春が来たことを喜ぶ想いが内蔵されています。私の住まいがあります芦屋では、この冬の間に雪が降ったのは2回。それも風花が舞った程度でした。瀬戸内気候ですので、朝の気温が零度を下回る事も有りません。マンション住まいですので、朝起きた時の室内温度は15度で、蘭の花が咲いています。これでは、春が来た感慨は余りありませんが、5年間の札幌生活を経験していますので、北国の皆さんの春を待ち望む思いは良く分かります。
厳しい冬の生活が有るからこそ、春が来た時の喜びが有るのです。この思いを踏まえないと、春の季題が内蔵する本意というものが理解出来ないと思います。その様な観点から見ますと、本日の句会に投じられた句からは、湧き上がる様な春の喜びが感じられなかった。句会の句から拝借します。
渓流の奏づ瀬音や残る雪
残雪の様子も渓流の様子も良く分かるのですが、春が来た喜びが描けているでしょうか。
蛇穴を出て悪童と見つめ合ふ
ユーモラスな句ですが、春が来た喜びが詠めているでしょうか。蛇と悪童という、春の到来とは別のテーマになっているように思います。春という前向きな季節の題を用いる時は、前向きな思いを描きましょう。春の句を詠む時の秘訣です。
下萌や日々に増し来る日の勢 伸一路
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