2021年5月3日月曜日

作意的な句

  統俳句協会関西支部大会の事前応募句約740句の選が終わりましたが、気になった句がいくつか有りました。全体の選が纏まるのはこれからですから、具体的にこんな句と例示できませんが、少なくとも私の選の基準からすると、情けなくなるような句でした。例えば、お追従の句、媚びへつらいの句、主宰者が喜びそうな言葉で句を飾っている句などがそれに当たります。普段の句会であれば「遊び心」で済むところですが、地域を代表するような大会では問題です。

 何かの目的のために作った句を作意的な句と言いますが、入選せんがために詠むのは、まさに作意の最たるものです。先生はワインがお好きだから、ワインの句を出せば採って貰えるかもしれない、というレベルなら未だ軽い方。胸が悪くなるようなお追従の句には、正直辟易します。こんな句を出せば採って貰えるかも知れない、と思った瞬間に、その作者は悪魔に心を売ったも同然です。

俳句の選は善意をもってせよと言いますが、このような句に出会うと、心底がっかりします。全体の選がどうなるか分かりませんが、このような句は消えて行くでしょう。伝統俳句を守り正しい花鳥諷詠を実践するためにも、撲滅しなければならない句です。

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