2022年2月4日金曜日

寒明と立春

 今日は寒明、そして立春。昨日の節分が大寒の最後の日で、今日は大寒が終わったから寒明です。同時に暦の上では立春。ならば寒明と立春とは同じ事?俳句に関心の無い人だったらそれでも良いでしょう。しかし、仮にも俳句の一つでも詠もうかと思う人は、これでは困ります。

では、どう違うのでしょう。実は今日、神戸市中央区の婦人会館で五葉句会が有り、兼題の一つがこの寒明だったのです。恐れていた通り、寒明を立春で詠んだ句や、逆に立春の句なのに寒明が使われている句が散見されました。

寒明とは、大寒が終わってほっとしたがまだまだ寒さが続くなあと、少しぼやく感じが有ります。気分的には少しマイナスです。一方立春は、今日から春だ、わーい嬉しいな、と喜ぶ思いが有り、気分的にはプラスです。句会から例句を借用します。

       寒明の光鏤め海の綺羅

この句は、寒が明けた明るい海の輝きを詠んでいますが、これだけ明るいと立春の感じがします。寒が明けても、寒の戻りと言って再び厳しい寒さが来ることが有り、手放しで喜べません。寒明を詠んだ今日の私の句、

       ペンキ塗る観光船や寒明くる     伸一路

寒は明けたものの、本格的な観光はもっと暖かくなってから。それまでは船体のペンキでも塗って観光客を迎える準備をするか、という声が聞こえて来ます。以前に詠んだ句ですが、

       立春や万羽の北帰始まれる      伸一路

寒明と立春の違いが分かる感性を磨きましょう。


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