2023年8月24日木曜日

席題について

 席題とは、兼題があらかじめ出ている句会に於いて、参加者が席に着くのも見計らって、指導者なり幹事が兼題以外の題を出し、この題で句を詠み、兼題の句と共に定められた数の句を投じるものだ。兼題が無くて席題だけで作句するような句会もあるだろう。

私が選者として伺っている句会は、吟行句会以外は兼題と席題とを併用しているが、唯一野鳥句会だけは当季雑詠としている。かつては兼題と席題を併用していたが、会員の実力が向上して来たので、実験的に当季雑詠にしている。しかし自宅ですでに作句して来ているので私語が聞こえたりして、締め切り時間まで間が持たない人が多い。そこで、来月の例会から、席題を導入することになった。時間を、有効に使おうということである。

席題を10分ほど考えて詠む人もあれば、外へ出て席題を観察に行く人もある。その結果、自宅で苦吟して持ってきた句より良い句が出来ることがしばしばある。緊張感と集中力の成せる業かも知れない。かつては兼題で詠んだ句を持って来て、お茶とお菓子で雑談している句会があった。しかしこんな句会で、まともな句が出来るはずがないのだ。作句力を磨くのではなく、仲間との親睦を深めることに力を注いでいるのである。私は、句会場で菓子を食べることを厳禁している。ロビーなり喫茶店で親睦を図れば良い。会場は俳句の修行の場であり道場なのである。どうしても席題で句が詠めなければ、持参した句を出せばよいのである。

席題が出れば目の色が変わると言われる。席題で詠んだ句が互選によく抜け、かつ指導者の特選や巻頭にでもなれば、天にも昇る心地がする。私が直接伺っていない句会で席題の無い句会が有ったら、是非席題の導入を検討してほしい。実力向上に資すること間違いない。

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