2025年11月11日火曜日

関西ホトトギス俳句大会に参加して

 11月8・9の両日、大阪城の南側にあるKKRホテル・大阪にて関西ホトトギス俳句大会が開催されました。九年母会からも清記や披講・受付などの係に8名の方が活躍され、会員の方も多数参加されました。8日は145名、9日は111名と、素晴らしい数の参加者があり、大いに盛り上がりました。初日は廣太郎先生と在関西の各結社の主宰の選、2日目は廣太郎先生の選のみでした。

初日は小春日の好天に恵まれ、吟行日和となりました。近くのカトリック教会の司教のご協力で教会の内部を見学できることになり、たくさんの方が教会を吟行されました。細川ガラシャ夫人や高山右近ゆかりの地を吟行する方も居られました。

私はお城の庭を一人でさ迷い歩き、石垣に籠る人間の怨念のようなものを追い続けました。大阪夏の陣や冬の陣で、豊臣方と徳川方が死闘を繰り広げた戦場に籠る怨念です。そして

    人の性思ふ石垣城小春  伸一路

という句を得ました。この句は当日午後の句会で廣太郎先生の特選2席を頂きました。2日目は朝から雨になりました。私は雨が苦手。やむなく雨の大阪城を吟行し、笹鳴や濠の水鳥の句を詠みました。

2日間で6句を投句し、内5句が廣太郎先生の選に入り、その内の1句が上記の通り特選でしたが、ショックだったのは、両日の句会とも私の句は互選や主宰選には全く入らず、両日とも廣太郎先生の選だけに入った事でした。毎年関西ホトトギス俳句大会に参加して来ましたが、こんなことは初めて。これをどう捉えたらよいのか悩んでいます。

一つの要因として考えられるのは、教会を吟行した句が可成りあったのですが、ステンドグラスに天使が飛んでいたとか、キリスト教の教義とはおよそかけ離れた、いわゆる見たままの句が多かったように思います。逆に言いますと、対象を見詰めて深く沈潜し、ガラシャの苦悩にまでたどり着いた句が少なかったという印象を受けました。

吟行はどうあるべきか、吟行句はどう詠むべきか、改めて考える機会になった大会でした。


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