2014年2月21日金曜日

ホトトギス同人

昨日到着したホトトギスの3月号には、1400号の記念特集が組まれており、その中の「社告」に於いて、汀子先生による同人の推挙が発表されています。九年母会からは、松岡たけをさんと山之口倫子さんが推挙され、ホトトギス同人となられました。ご本人には勿論の事、会にとっても大変名誉なことです。

私が所属する下萌句会からは、友井正明さんが推挙されました。お三方とも、私の予定通りでした。次はこの方達だろうと思っていました。ホトトギスや伝統俳句協会の句会・大会で目覚ましい実績を挙げておられ、人格・力量とも、ホトトギスの同人として申し分のない方達で、真に嬉しい限り。お三方には心よりお祝い申し上げます。

これで、九年母会関係で生存されているホトトギス同人は14名となりましたが、他の俳誌に比べるとまだまだ見劣りがします。今回の皆さんに是非続いて頂きたいと思っています。

ホトトギスの同人には権利も義務もないが、虚子の「花鳥諷詠」という教えを正しく伝え、広めていくという責任がある、と汀子先生は語っておられます。ホトトギスの同人の正確な人数は把握していませんが、およそ1000人位かと思います。この方々が全国に分散し、「花鳥諷詠」の旗のもと、普及活動に当たっておられる訳です。微力ですが私もその一人です。

ホトトギスの同人とは、鎌倉幕府の御家人のようなもの。普段は各自の領地の経営に当たっていますが、一朝事あるときは、いざ鎌倉、取るもの取り敢えず駆けつけるのが、その任務です。現に、伝統俳句協会やホトトギスの毎年の全国大会や地方大会、祝賀会や研修会などの企画・立案から開催まで、すべてがホトトギスの同人の活動に負っています。ホトトギス同人の指揮の下、各結社の同人の方が裏方となって支えておられるのです。大変なご苦労ですが、その意味からも、新しく同人となられた皆さんの御家人としての意識と活躍が期待されています。

さて、先日偶然点けたテレビの「NHK俳句」岩岡中正選に、そのホトトギス同人の征一様の句が入選していました。作品を天下に示すことも同人の大切な任務の一つであり、正しい俳句の普及の一環です。ご了解を頂きましたのでご披露します。

     水餅のやうな齢となりにけり     征一

床の間の鏡餅のような華やかな時期を過ぎ、水桶の中に沈んでいる水餅。その水餅のような年齢とはどんなものでしょう。一線を退いても示し続ける存在感か。皆さんは、この句をどのように解釈し、鑑賞されるでしょうか。それぞれの人生経験から、さまざまな解釈が出来ます。それだけ味わい深い句であると思います。

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