第7回九年母賞の総評を書きながら、「かな」止めの間違いの多いのが気になりましたので、応募句の中から作者名を伏せて、実例に基づいて、再度説明をしてみます。
①万倍の力宿して植田かな → 万倍の力宿せる植田かな
②一粒の米を想ひて案山子かな → 一粒の米を想へる案山子かな
③草毟りするのも癒し墓参かな → 草毟りするも癒しとなる墓参
④勝つ為の技研ぐ稽古相撲かな → 勝つ為の技研ぐ相撲の稽古かな
⑤せめぎ合ふ力と力相撲かな → せめぎ合ふ力と力大相撲
①は「宿して」で切れているのに「かな」と切ると二度切れてしまう。
②も同じく「想ひて」で切れているから「かな」と切切ると二度切れになります。
③「癒し」で切れていますので「かな」と止めると二度切れになります。
④「稽古」で切れて「かな」でまた切れています。
⑤「力と力」で切れ「かな」でまた切れます。
以上の例で、「かな」の正しい使い方がお分かり頂けたでしょうか?
俳句の切れは一か所にした方が、感動の焦点がはっきりします。
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