先週の朝日俳壇で、金沢の征一様が稲畑汀子先生選の巻頭をお取りになり、このブログでお祝いを申し上げたばかりですが、本日の朝日俳壇でまたもや、大串章先生選の巻頭を受賞されました。朝日俳壇で2週連続の巻頭という記録は、寡聞にして聞いたことが有りません。入選するだけでも大変な事なのに、2週連続巻頭という偉業。まさに奇跡と申すべきか神業か。
憂さ捨てに朧の町へ紛れ込む 征一
朧の町は、男の淋しさや悲しみを癒してくれるところなのでしょう。紛れ込む、という措辞に惹かれます。雑踏の中の、大衆の中の1人として、己の弱いところをさらけ出し合える処が、朧の町なのでしょう。男とは淋しく悲しきもの。しみじみと伝わってくるものが有ります。
男の心には、常に何か飢えた部分が有ります。その飢えを満たすために権力を求め、財力を求め、名声を求めるのです。しかし常にそれが満たされるとは限りません。満たされない淋しさを味わうこともあります。それが心の憂さというもの。淋しさの果てなむ国を求めて、男は今日も心の旅を続けるのです。征一様の益々のご活躍をお祈りします。
漂泊は詩人の心月に雲 伸一路
0 件のコメント:
コメントを投稿