2014年5月31日土曜日

感情表現

本日は、九年母1050号記念祝賀会の第3回準備委員会が播水旧居で開催されました。各委員がそれぞれ担当を持ち、着々と準備が進んでいますが、今日はその進捗状況をチェックし、予算案や同人候補の発表の方法などについて協議しました。明日は、午前9時に生田神社の宮司様にお会いし、午後は、汀子先生宅での下萌句会に参加します。

さて、先日の句会で次の句が投じられました。

     野の川に蛍もどりて闇美しき

この句の場合は、「美し」は「はし」と読みます。「うつくし」と読む場合もありますから、句全体の音の数から判断して読まねばなりません。披講者泣かせの言葉の一つです。

ところで、俳句の場合は、感情的な表現を避けて、その感情を想起した情景なり物を描くことによって、読者の心の中にその感情を誘発するように詠む事が大切です。ですから、「美しい」と作者が詠んでしまうと、読者が参加する部分がなくなります。俳句は作者と読者の心の交流が命です。さぞかし美しいだろうな、と読者が思うように詠む、これがコツ。この句では、闇が美しいと言ってしまわず、闇だけに止めておくのです。例えば、

     戻り来し野川の蛍夜の闇

として、読者に蛍の飛ぶ闇の美しさを存分に味わって頂きましょう。

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