ようやく梅雨らしい天候になって来ました。例年通りの梅雨です。今日は神戸市中央区の婦人会館にて、九年母会の五葉句会が開催され、16名の方が参加されました。欠席投句も2名あり、充実した勉強会となりました。この会は40年余の歴史が有り、現会長は源氏物語の権威。最高齢の会員は92歳。昨年の摩耶山俳句大会で賞を2つも獲られた方等、実力者揃いの句会です。将来的には、九年母を代表する句会となるでしょう。
さて、今回は推敲のヒントシリーズの2回目です。
1.笹舟を溝に競はせ梅雨遊ぶ
問題点は二つ。先ず「溝」が必要かどうか、ということ。つまり、笹舟を競わせる場所を言う必要があるかどうか、です。笹舟で遊んだ、梅雨に、これで良いのではないでしょうか。二つ目の問題点は、下五の「梅雨遊ぶ」という表現。窮屈ですね。「梅雨に遊ぶ」と表現にゆとりを持たせましょう。
例) 笹舟を競はす梅雨の遊びかな
2.紫陽花の城壁ありぬ古刹かな
問題点は二つ。先ず、古刹に城壁が有るかどうか、ということ。城壁は城の壁のこと。古刹とは古くて由緒あるお寺のこと。もう一つの問題は、中七の「ありぬ」の止め方。下五で「かな」という切れ字で止める場合は、中七の切れは軽くしないと句がバラバラになってしまうのです。「ありし古刹かな」とする方が、句の流れがよい。
例) 紫陽花の壁となりたる古刹かな
3.歳時記へ重さ加へる梅雨曇
やはりこの句も、問題点が二つ。先ず、上五の「歳時記へ」を「歳時記に」としてはどうか。次に、「重さ加へる」では説明的になるので、「加はる重さ」としてはどうか。その方が、より詩的な表現になると思います。
例) 歳時記に加はる重さ梅雨曇
ご健吟下さい。 宮様の葬送の列梅雨深む 伸一路
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