金沢の征一様から、北信越ホトトギス俳句大会に参加された際の句を頂きましたので、披露させて頂きます。
天高しとはこのやうな日なるべし 征一
白樺に秋風高き越路かな 〃
光りつつ風となりけり花芒 〃
1句目の句を読んで、天高い秋晴れの情景が目に浮かびます。「このような日なるべし」という表現で、抜けるような好天で有ることが分かります。全国のどこの空でも通用する、普遍性のある句。
六甲の空では、一地域でしか通用しないローカルな句になってしまいます。
2句目の白樺を吹く秋風は、関西では稀な風景です。どこの話かと思って読み進めていくと「越路」という言葉にぶつかって納得します。ああ、北国の話なのか、と。すると越後平野の情景が見えて来ます。背の高い白樺の木の葉が、秋風に揺れています。この情景を「秋風高き」と表現された。
3句目の句、私たち関西俳人は、曽爾高原や砥峰高原の芒を詠みますが、この句はスキー場で有名な新潟の赤倉温泉へ吟行された際の句。しっかり普遍性を保って詠まれています。「光りつつ風となる」というフレーズは絶品。震えが来ます。
ところで、今月29日(水)に、第23回摩耶山俳句大会が、奥摩耶の「神戸市立自然の家」で開催されます。受け付けは10時から、締め切りは12時。嘱目吟3句で参加費は1500円。稲畑汀子先生他、関西の主な結社の主宰10名が選をされます。私も前回から、選者の1人に加えて頂いています。この大会は、伝統俳句を志す俳人の真剣勝負の場です。事前投句は無く、当日嘱目吟だけの勝負ですから、雑音の入る余地はありません。
高野山で開催されていた俳句大会を、摩耶山天上寺の管主で選者のお一人の虚舟先生が摩耶山に移された時から、九年母会がお手伝いをした来ました。汀子先生と播水先生の、両方の選が頂けるという、豪華な時代が暫く続きましたが、播水先生ご逝去の後は、ホトトギスの皆さんが中心になって運営されています。
昨年は、我が野鳥俳句会の会員が、7つの賞の内6つを受賞されるという、素晴らしい成績を挙げられました。今年も真剣勝負に多くの俳人が参加されますよう期待しています。摩耶山の秋は、皆さんを待っています。
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