(1) 山茶花や花こぼしつつ花咲けり
先ず、「花こぼしつつ」と「花咲けり」と「花」が重なっており、すっきりしません。「花」を一つに出来ないか、考えてみましょう。下五を「咲き継げる」とすれば、「花」は削れます。次に、上五の「や」は、「の」とします。上五を口語で表現しますと、「山茶花が」ですが、この「が」は主語に付く助詞で、文法上では主格の「が」と言います。主格の「が」は「や」にせず「の」とすると、句が優しくなります。「や」では切れ方が強くなるからです。
例) 山茶花の花こぼしつつ咲き継げる
(2) 本を手にうつら船漕ぐ小春かな
作者の言いたいことは良く分かるのですが、中七の「うつら船漕ぐ」という表現が俳句らしくない、と言えます。つまり、出来合いの言葉を使ったために、川柳のように聞こえるのです。俳句は自分の言葉で詠む事が大切です。
例) 本を手にうたた寝するも小春かな
(3) 介護より一時離れ友小春
介護というきつい仕事の手を休めて憩う友を思いやる作者ですが、中七以降の表現が窮屈です。「友小春」という詠み方にその原因があるのです。「友の小春」や「友に小春」など、もう少しゆったりと詠んでみましょう。暫くゆっくりしてもらいたいものです。
例) 介護の手休めし友に小春晴
(4) 山茶花の解くる気配に息を詰め
肩に力が入り過ぎています。そこまで緊張することは有りません。もっと気楽に詠んでみましょう。
例) 山茶花の莟をほどく気配かな
(5) 庭からの猫は小春の匂ひして
この句は、俳句(発句)ではなく、連句の第三です。第三とは、発句、脇句に続く3番目の句で、「に・て・にて・らん・もなし」のいずれかで留める決まりです。また、発句以外は、なるべく「や・かな・けり」などの切字を使わないという決まりも有ります。掲句には切字が含まれておらず、かつ「て」という留字が使われていますので、第三と思われるのです。俳句は発句でなければなりません。
例) 庭からの猫に小春の匂かな
例) 介護の手休めし友に小春晴
(4) 山茶花の解くる気配に息を詰め
肩に力が入り過ぎています。そこまで緊張することは有りません。もっと気楽に詠んでみましょう。
例) 山茶花の莟をほどく気配かな
(5) 庭からの猫は小春の匂ひして
この句は、俳句(発句)ではなく、連句の第三です。第三とは、発句、脇句に続く3番目の句で、「に・て・にて・らん・もなし」のいずれかで留める決まりです。また、発句以外は、なるべく「や・かな・けり」などの切字を使わないという決まりも有ります。掲句には切字が含まれておらず、かつ「て」という留字が使われていますので、第三と思われるのです。俳句は発句でなければなりません。
例) 庭からの猫に小春の匂かな
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