2015年3月28日土曜日

鷹戻る

午前中はザ・モール姫路の俳句講座、午後は兵庫県俳句協会の理事会と忙しい一日でした。昼ご飯を食べる時間が無かったので、姫路から神戸へ向かう新快速の車内でお握りを食べながら移動。元町の県民会館の理事会会場に滑り込んだら、ちょうど私の副会長就任が決議される瞬間でした。全員の拍手で、議案に賛同を頂いている最中に「遅くなりました」と駆け込んだのです。全くの偶然でした。

自宅に戻る途中、バスの窓から2羽の鷹が輪を描きながら東へ流れて行くのが見えました。このところ毎日のように鷹の姿が見られます。秋に南の国へ渡って行った鷹が、戻って来ているのです。

「鳥渡る」という季題は複雑で、冬鳥が秋になって北国から渡って来ることにも、また、夏鳥が秋になったので南の国へ帰って行くことにも、どちらにもこの「鳥渡る」を使います。従って、鷹は春に日本にやって来て子育てをし、秋に南の国へ帰って行くので「鷹渡る」は10月の季題です。

ところで、春になって、冬鳥が北国へ帰って行くのを「鳥帰る」といいますが、同じ時期に夏鳥が南国からやって来るのは何というのでしょう。これも「鳥帰る」でしょうか。鷹も南の国からやって来ます。「鷹帰る」で良いのでしょうか。

「鳥帰る」という季題には、北国へ帰る鳥達の無事な帰路を祈る思いが有りますが、「鷹帰る」と使った場合、よく日本へ帰って来たな、という無事な帰国を喜ぶ思いになると思います。祈りと喜び。同じ「帰る」でこうも違うのはややこしい。ならば、南国から帰って来た鷹には「戻る」としてみたらどうでしょう。「鷹戻る」です。日本で生まれ育った鷹が日本へ帰って来るのです、「鷹戻る」で無事を喜ぼうではありませんか。「鷹戻る」で素晴らしい句を詠んでみて下さい。

今日、初燕を見ました。シロハラとツグミが喧嘩しているのも。我が家のベランダに雀が沢山やって来て餌を食べ、大騒ぎをして帰って行きました。

       明け初むる岬の空を初燕   伸一路

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