2015年4月13日月曜日

風光る

4月の風は光ります。ホトトギス新歳時記には「四方の景色もうららかな春は、吹きわたる風さえも光っているように感じられる」と有ります。先日の句会で、風光るという季題を使った句が幾つかありました。

    ① 風光る神木を守る植木職

    ② 参道の坂道くねり風光る

    ③ 火の神に納む火箸や風光る

風光る、という季題の働きを味わってみましょう。

先ず①の句、植木の職人さんが境内でご神木の手入れをしています。この職人さんは幾つくらいの方でしょう。もし高齢の方だったら、風は光りますか?

②の句、参道の坂道が曲がりくねっています。風は光っていますか?

③の句、火伏の神様に奉納する火箸を売っています。風は光っていますか?

私の思いでは、①の句に風が光る可能性があるようです。例えば、この植木職人さんが農業学校を卒業したばかりの、ベテランの先輩について修行している青年だとしましょう。この青年には無限の未来が有ります。

      神苑の園丁若し風光る

風が光ったのが分かりますか。新しくて、若くて、真っ新なものと取り合せると、風は光りだします。春の風からです。

      抱き上げて差し上げて空風光る    伸一路

0 件のコメント:

コメントを投稿