2015年7月12日日曜日

青時雨

先日の吟行句会で、私は次の句を投じた。

     枝を発つ鳥に零れて青時雨      伸一路

後日ある方から、青時雨という季題を目にしたのは初めてだった、とのメールを頂いた。ホトトギス新歳時記には載っていないが、角川合本歳時記には青葉の傍題として有る。解説に曰く、「青葉雨は青葉の時に降る雨だが、青時雨・青葉時雨は、青葉のころ、雨が上がったあとの木の下を通ると、葉に溜まっていた雫がはらはらと落ちてくること」と。

この日の吟行会は、神戸の布引ハーブ園で開催された。朝早く一雨有り、午後から快晴となった。句帳を開いているとパラパラと雫が零れて来た。思わず見上げると、雀が枝を飛び立ったところだった。朝の雨が木の葉に溜まっていたのだ。

青時雨という音が美しい。時雨と言っても夏の季題。青葉には他にも、青葉寒・青葉冷という美しい傍題がある。もっと活用したい季題である。

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