最近の下萌句会の私の成績は、どうも振るわない。下萌句会とは、毎月1回、汀子先生がご自宅で開催しておられる句会である。関西一円のホトトギス同人の中からお召を頂いた20数名が、参加させて頂いている。平成18年に初めて参加させて頂いてより、早いものでもう9年になる。
このところ特選10句に入らない回が続いている。以前は特選1句、普通選2句の3句入選がパターンだったが、主宰になってからというもの、どうもいけない。推敲の時間が足りないのが原因だと思うが、入選2句が続いている。
ところで、今日先生に採って頂いた次の句は、今日の句のなかでは推敲が出来たのではないかと思う。その句の初案は次の通りだった。
思ひ出を形としたり蟬の殻 伸一路
蟬は7年間地中で過ごし、地上に出てからは7日間の命であると言う。蟬にとっての幼虫の姿は、7年間を過ごした懐かしいものではないだろうか。脱皮した蟬の気持ちを思った時、この句が出来た。このままノートに書いて持参したのだが、会場の席について見直していると、形としたり、の部分に何となく違和感を覚えた。思い出を形にした、で分かって貰えるだろうか。そこで、次のように直してみた。
思ひ出を形に残し蟬の殻
これでよし、と思って他の句の推敲をしていたが、ふと、「残し」ではなく「留め」の方がぴったりするのではないか、「思い出」なら「留め」だと思い、次の句を最終の形にした。締切1分前の事だった。
思ひ出を形に留め蟬の殻
今日の成績は入選2句のみだったが、先生の句5句の内4句が採れ、一致率指数は65と、まずまずの成績だった。
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