2015年11月23日月曜日

坂越吟行の記

昨日は九年母本部吟行にて、赤穂市の坂越宿に参りました。坂越と書いてサゴシと読みます。古くから港町として栄え、1300年の歴史が有るそうです。飛鳥時代に、蘇我入鹿の圧政を避けてこの地に逃れて来た渡来人の秦河勝(はたのかわかつ)の墓が、坂越湾内に浮かぶ生島(いきしま)に有ります。この島は当時から禁足地とされ、島に入った者には祟りが有るそうです。

江戸時代には、龍野藩の年貢米や赤穂の塩を大阪や江戸へ運ぶ積み出し港として、また瀬戸内海航路の風待ち港として栄え、遊郭も有ったとか。代々造り酒屋として大きな身代を築いた奥藤(おくどう)家が、街造りの指導者として大きな功績があったとか。奥藤銀行は、私が嘗て奉職した神戸銀行の前身の一つでもあります。

とにかく静かな町です。街の掃除も行き届き、風光明媚とはこの街の為に有る言葉かもと思う程、海も山も街並みも美しい。小高い丘の上に有る妙見寺観音堂から海を眺めると、牡蠣の筏が沢山浮かび、遥か沖には家島群島が見えました。麓の大避(おおさけ)神社では七五三詣りの様子も見られました。或る食堂で、昼食に地元の素材を使った牡蠣フライを食べましたが、とろけるように美味しかった。電話で予約をした若い女性の二人連れが隣のテーブルで食事をしていましたが、電話で予約する程の店なのでしょう。また、この店の若奥さんのお母さんが九年母の会員と知って驚きました。

当地には、嘗て田中延幸さんというホトトギスの同人が居られ、九年母俳人を沢山育てられました。前回の当地での吟行の際には、妙見寺をご案内頂いたことを思い出します。

        山寺に偲ぶ温顔笹子鳴く    伸一路

町内の公民館をお借りして句会を催しました。赤穂の会員が心を込めて設営して下さった会場で、48名が参加。冬桜や牡蠣筏を詠んだ句が沢山あり、楽しい句会となりました。西宮〜坂越間は往復で202㎞で、ジパングを使えるギリギリの距離でしたが、3割引きで助かりました。毎年10月の第2日曜日には舟祭りが盛大に開催されますので、読者諸氏も、是非出かけてみたらどうでしょう。ただ、町内には宿が無いので、赤穂市内で泊まることになるようです。

      



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