2016年2月9日火曜日

針供養と春節祭

2月8日は針供養。野鳥句会では毎年、兵庫区にある厳島神社の針供養に参拝するのを慣わしとしています。今年は葺合文化センターと六甲道勤労市民センターの受講者の方も何人か加わり、総勢15名でお参りしました。9時30分に新開地駅西改札口に集合、神社までは徒歩で5分です。

姫神様らしい朱塗りのお社が華やかに映える境内は、和服姿の女性で溢れ返っていました。家内から預かって来た折れた針十数本を、針塚の前に設えた机の上に置かれた蒟蒻に刺しました。折れた針を蒟蒻の様な柔らかいものに刺して供養するとは、何と優しい心遣いなのでしょう。

裁縫は、衣食住の衣を司る大切な文化です。縄文時代の遺跡からも、動物の骨で作った針や、麻布などを縫った衣類の一部が出土しています。裁縫の歴史は、更に石器時代にまで遡れるのでしょう。革の衣に穴を開けて紐を通すことから、裁縫が始まったのかも知れません。


針供養は春の季題ですが、同じ日に中国の旧正月である春節祭が始まります。神社から元町の中華街に移動しましたが、東アジア系の観光客で、大変な混雑でした。ところで春節祭は季題でしょうか。答えはノーです。春という字が付いているのだから、という議論も有るのでしょうが、現状では季題では無い、としか言いようがありません。

但し、しっかりとした季節感がある季語であり、例句の蓄積により、近い将来季題になるかも知れません。また、二月の季題である旧正月を使って春節を詠む事も出来るでしょう。新聞や雑誌の俳壇でしばしば見かける様になれば、気運が高まるでしょうね。皆様のご健吟をお祈りします。

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