2016年12月31日土曜日

新年のご挨拶

会員・誌友の皆様、明けましておめでとうございます。昔風に申しますと、正月の年取りで私も1つ歳を重ねまして、数え歳で71となりましたが、九年母会の平均年齢を引き下げる事には貢献しているつもりです。
 さて、昨年を振り返ってみますと、様々な出来事がありましたが、中でも最も残念だったことは前主宰の五十嵐哲也先生を失ったことです。先生は、播水先生の後継者として平成⒓年から九年母会を率いて来られました。一昨年の1050号の記念大会で私に主宰を譲られてから、悠々自適に花鳥抄の選をされ、句境を更に深めて行かれると思っていましたが、昨年の2月に俄かに病を発せられ、5月に冥界に旅立たれました。まことに痛恨の極みであります。
 先生の他にも、関西の俳壇を代表する俳人が相次いでこの世を去られました。4月には俳誌「ひいらぎ」主宰の小路紫峡先生が、5月には「未央」名誉主宰吉年虹二先生が、更に6月には「諷詠」主宰の後藤立夫先生が逝かれました。紫峡先生には、私が主宰を継承した際に、「これからは『虚子俳話』を良く勉強して作家としての句を詠みなさい」と教えて頂きました。虹二先生には多作という事を教えて頂きました。先生は毎月900句詠んでおられるという事でした。立夫先生には、年齢的に近い事もあって弟の様に可愛がって頂きましたので、ショックでした。ここに、故人となられた先生方をはじめ、俳壇の全ての物故者の皆さんのご冥福をお祈りします。 
 さて、昨年の年頭のご挨拶では、各自が置かれている現状から一歩踏み出すよう呼びかけました。その結果はどうだったでしょうか。一歩踏み出すことによって、今迄には無かった幸せを手にされた方が大勢おられたことを喜びたいと思います。
嘗ては、俳句大会や献詠俳句会などで入選しても、九年母誌上には掲載しなかったと聞いたことが有りますが、私はどんどん掲載して、会員のモチベーション(やる気)の向上に繋げようと思っています。褒められて怒る人は有りません。他で評価されたことは九年母でも正当に評価すべきです。
大会への投句は邪道では有りません。賞金を狙っての投句は感心しませんが、同じ師系の募集で、純粋に自分の句の評価を世間に問うてみるという応募は推奨します。九年母の中だけで褒め合っていては、成長は有りません。まさに井の中の蛙です。大海で揉まれて初めて、九年母の良さが分かると思います。
今年の阪神タイガースのキャッチフレーズは「挑む」だそうです。私達も挑みましょう。今年は去年以上に、俳句で褒められる事の多い年にしましょう。そのためにも先ず健康であることです。体調が優れないと、明るく楽しい句は出来ません。健康に注意して、大いにご健吟下さい。
今年が皆様にとって良い年であります様、切にお祈りし、新年のご挨拶とします。

   大らかに明るく詠めと初御空    伸一路

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