9月10日午前10時半から、大阪の住吉大社にて、観月祭献詠俳句の選者会が開催されました。境内では一抱えもある樹木が数十本も倒れ燈籠も壊れて、惨憺たる有様でした。参集した審査員は予選の選をした5名の内3名。大橋晄、古賀しぐれの各先生と私。今回の応募総数は623句。その中から最終選考に残った句は18句。なんとその内の7句が九年母会員の作品でした。5名の選者の事前の予選により選ばれた18句が一枚の用紙に表示され、高得点の句から順番に最終の審査をし、順位を決定しました。高得点の句でも、表現が適切でなかったり、文法上の誤りがあったり、漢字が間違っていたりで落とされます。
18句の中から最終的に13句に絞られ、成績の順に天賞・地賞・人賞と佳作10句が選ばれました。九年母関係の入賞・入選者は以下の通りです。
地賞 月に立つただそれだけで泰らげる 河野 信子
佳作 被災地へ尽きぬ祈りや今日の月 武本 敬子
同 喜びにまた哀しみに仰ぐ月 光山 惠子
同 集ひ来てみな住吉の月の友 小柴 智子
同 復興に静かな力月涼し 深澤美佐恵
今日の最終審査で分かった事ですが、無記名の句を審査する予選の段階では、私は光山惠子さんの句と小柴智子さんの句には、満点(2句のみ)の5点を、河野信子さんの句には4点、武本敬子さんの句には3点を付けていました。また、武本敬子さんと光山惠子さんは、同時に投句された他の1句も、最終選考に残っていました。
予選で高得点を取られた句に、「看取り女」という言葉を使った句が有りました。表現が時代にそぐわないのでは、との意見が出され、議論の結果見送ることになりました。「看護婦」でも時代にそぐわず「看護師」となったのです。ましてや「看取り女」では、ということでした。また、河野信子さんの句は、原句は「月に佇つ」でしたが、「佇つ」に問題があると議論になり、最終的には「立つ」と直して入賞としました。「佇む」は、「たたずむ」であって「たつ」とは読まない、というのが出席審査員3名の共通の意見でした。
入賞・入選の皆さん、おめでとうございます。今月の24日の表彰式に是非ご出席ください。応援団の皆さんも、秋の夜の観月の宴の神秘を味わいに行きましょう。
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