2018年10月31日水曜日

蝶渡るという季題

昨日、摩耶山上の神戸市立自然の家にて、第27回摩耶山俳句大会が開催されました。参加者は147名、関西一円の俳句結社の俳人が参加されました。選者は私も含めて委嘱を受けた13名全員が参加しました。私が担当している葺合文化センター俳句講座の受講生の方も来ておられました。

主催者のお一人で摩耶山天上寺の伊藤浄厳貫主(俳号:虚舟 ホトトギス同人))は、境内で藤袴を沢山栽培しておられ、秋になると渡って来るアサギマダラという蝶に食事と休息を提供しておられます。今月19日にお寺へ参った時には、数十匹の蝶が群れていました。
アサギマダラは浅黄斑と書き、秋になると先島諸島や台湾方面に向かって渡りをすることで有名です。特に藤袴の蜜を好むようで、六甲山の上空を飛行しつつ天上寺の境内に咲く藤袴に降りて蜜を吸っているのです。

先般の垂水漁港での本部吟行で、「蝶渡る」という言葉を、九年母会のローカルルールとして季題として使おうと申し上げました。先般の「ホトトギス新歳時記」の改定の際に「鷹渡る」という季題が、11月の「鷹」から分離独立して10月の季題となりました。この分離独立に10年を要しました。「蝶渡る」は季語ではあるが未だ正式な季題ではありませんので、秋の蝶としたり藤袴と組み合わせて詠んでいます。新聞の俳壇等では、季題として詠んだ句を俳人協会系の選者が採っていますが、ごく僅かです。

しかし今回は、和尚さんがアサギマダラを集める努力をしておられることが選者控室で話題となった事も有ってか、「蝶渡る」を季題として詠んだ句を、汀子先生が初めてお採りになりました。画期的な事です。その句は、上記の本部吟行

に参加した九年母会員の作品でした。これで、「蝶渡る」という季題にお墨付きを頂いたのです。次回の「ホトトギス新歳時記」の改定が何時になるか分かりませんが、それまでに沢山詠んで、例句に採って頂けるように頑張りましょう。写真は天上寺のパンフレットから転載したものです。

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