2019年4月9日火曜日

時事句の命

4月3日、住吉大社にて松苗神事献詠俳句祭の奉告祭と表彰式が斎行され、九年母会の入選者の皆さんと参加・参列して来ました。今回投句された句は628句、投句者は314名。この内、最終選考に残った句は31句、内九年母会員が12句を占めました。最終的に入選13句に選ばれた九年母会員の句は5句と、他の結社を圧倒しました。

今回の投句の特徴は、元号や御代の変更に関するものが約3分の2を占めた事です。この大会では毎年、松の苗を植えることに関するよく似た発想の句が沢山投じられます。類想句が多いのです。そこで今年の投句者は一計を案じ、御代替わりの句を詠んでみようとされたのでしょう。

しかし御代替わりや新元号は、一つの社会事象であり、時事に関する事柄です。時事を詠んだ句は直ぐに飽きられ、時の流れの中に消えてしまい易い。過去の思い出の一つになってしまうのです。私達が希求しています俳句は花鳥諷詠です。造化の神の御業を賛美する詩を詠むことです。時事は川柳としては好材料かも知れませんが、将来にわたって、読者の心に残ることは無いでしょう。

時事句を詠んではいけないと云うことではありませんが、それは記念の句として句帳なり日記に留めておく方が良いと思います。

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