来る9月14日・15日の両日、大阪市天王寺区にある「ホテル・アウィーナ大阪」を会場に日本伝統俳句協会の全国大会が開催されます。14日は事前応募句の成績の発表と表彰式、稲畑汀子会長による講演会や懇親会、15日は朝から吟行に出て、午後は句会と表彰式が予定されています。
この大会で、九年母会では初めて私が全国大会選者に任命され、12名の大会委委員の派遣要請を頂きました。九年母会への派遣要請は、従来3名程度でしたので、全国大会選者任命と共に九年母会の存在が徐々に認知されて来たことを物語っていると思います。因みに、全国大会選者は36名です。
ところで、7月24日に到着した選の資料を見て驚きました。投句総数は7490句でした。通例全国大会の投句数は4000句程度と聞いていましたので、その倍の句数となったのです。さすが大阪大会。汀子先生のお膝元、他の地区には負けられません。しかし
約7500句の選を1週間で終えて8月2日必着で入選結果を返送せよとのお達し。それも特選3句と入選17句の合計20句を選べというものでした。
9月号の雑詠選を集中的に仕上げて、この選に掛かりました。毎日のノルマが1000句。毎月の九年母誌の雑詠欄の総数に匹敵する数です。雑詠欄の始めから終わりまでを7日間、毎日読むのと同じ分量になる訳です。寸暇を惜しむどころか、寝る時間と風呂とトイレ以外の時間は、食事をしながらも選をしました。寸暇は金魚と目高に餌をやる時くらいなものでした。
伝統俳句協会には伝統俳句を奉じる様々な俳句結社が所属していますが、全て「九年母」と同じ詠み口とは限りません。様々な着眼点の俳句を、毎日シャワーを浴びるように拝見して行くと、詩情豊かな句で、楷書で丁寧に升目を埋めて書いてある句に良い句があることが分かって来ました。殴り書きや走り書きの句には良いものが有りませんでした。
下手な字、癖のある字でも、読めるように心を込めて丁寧に書いてある句には惹かれました。その様な一句一句から伝わって来る作者の思いを吟味させて頂きました。作り物の句は真実が有りません。約7500句を拝見し終わった今思う事は、俳句は心だということです。汀子先生の云われる「本物の感動が無ければ俳句ではない」ということです。
きつい仕事でしたが、良い勉強をさせて頂きました。この経験を今後の選に活かしていきたいと思います。
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