六甲道の俳句講座で拝見した句です。
雑炊を皆で食べる夜風強し
この句の問題点は、下五の風強しという表現です。雑炊を「皆で食べた」ことを詠みたいのか、それとも雑炊を食べた夜は「風が強かった」ことを詠みたいのか。感動が絞り切れていないから、その辺が曖昧なままになったのでしょう。私は「皆で」は省いても良いのではないかと思います。雑炊を食べたのは風が強い夜だった、それだけで雑炊の俳句になります。今晩は風が強いね、と言いながら熱々の雑炊を食べているのです。
同じ講座の句です。
レシピ本めくつてため息師走妻
作者の意図は分かるのですが、定型を守るという俳句の大原則が崩れています。中七が8音になっていますね。中七は句の緊張感を高めるためにも7音を堅持しなければなりません。「めくつてため息」は口語体の表現です。ならば文語体で「めくりため息」としましょう。これで7音が守れます。
今日のパロディー句 鯛掬ひ蛸をすくひて須磨に在り 更坊
(星掬ひ月をすくひて摩耶に在り 伸一路)
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