葺合文化センター俳句講座での投句から
産み月の朝な夕なの寒卵
寒中に産んだ鶏の卵は滋養が有って体に良いと言います。臨月の娘さんに朝夕、この寒卵を勧めているのでしょう。作者の優しいお人柄が伝わって来ます。しかし、俳句は内容が良いから採るというものではありません。漢字や文法などの、内容以前の形式を先ず審査しなければなりません。この句は俳句ではなく短歌の上の句です。なぜでしょう?答えは切れ。切れが無いのです。では、俳句にするためにはどう切ればよいでしょうか。
例 産み月や朝な夕なの寒卵
寒卵育ち盛りの子に譲る
子に譲る理由は何でしょう。寒卵は滋養が豊富だから、と言う事でしょう。滋養が豊富だから私が食べるより子供に譲った方が、子供の健康に良いと、理由を述べているのです。この句に詩情がありますか。俳句は詩です。理屈を説明してはなりません。例えば、
「寒卵育ち盛りがまだ二人」としてみましょう。理屈感が抜けましたね。
今日のパロディー句 外にも出よ寝てばかりでは足細る 伸坊
(外にも出よ触るるばかりに春の月 汀女)
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