2020年2月7日金曜日

今日の二句  その17

須磨句会での句です。

見送りてふと身の覚ゆ余寒あり

下五の止めを「あり」としています。句の要因になった事実があるから、俳句に詠んでみようと思います。もし、この句の下五を「余寒無し」としたらどうなるでしょう。あったからそう思ったので、無かったら詠まない筈です。このような場合、「ある」ではなく「かな」と止めたらどうでしょう。「余寒かな」とするのです。

雨音のやさしくなりぬ余寒かな

中七の最後の「ぬ」という止め方に注目してみましょう。ここで句の流れが切れた感じがします。ここで切れたら下五の最後の「かな」という強い切れと、どう調和を図るか。
この句は、いわゆる二段切れになっています。ならば、「やさしくなりし余寒かな」と繋いでみましょう。「やさしくなりぬ寒の夜」のように最後を名詞で止める場合は「ぬ」でもよい。句の最後を「かな」で止める場合は、中七では切らないと考えましょう。

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