2020年2月18日火曜日

今日の二句  その19

葺合文化センター俳句講座での句です

盆梅の三百年や時の艶

盆梅展で見かけた、三百年の命を保つ古木の肌の艶を見ての感慨です。句の意味は分かるのですが、「三百年」と「時の艶」とを繋ぐ「や」という助詞がうまく働いていません。「三百年の時の艶」と「の」でつなぐとどうでしょう。「時」が生きて来ましたね。しかしそれでは「の」でだらだらと全体を繋ぐことになり、俳句で大切な切れが効いていません。ならば、「盆梅や」と切ってみましょう。「の」と「や」の入れ替えです。
 例)盆梅や三百年の時の艶

歳月は心を癒し梅真白

この句では、歳月は心を癒すというフレーズと、梅真白という季題とが無関係に並んでいます。ということは季題の働きが無いということです。心という言葉と白梅という季題をしっかり結びつけると、白梅が効いて来ます。そのためには「心や」と切ることです。歳月に癒された心を、白梅という季題が語ってくれます。
 例)歳月の癒す心や梅真白

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