2020年2月25日火曜日

今日の二句  その21

野鳥句会での句です。

淡雪や軽き降る音積もる音

淡雪の降る音、積もる音に着目した、綺麗な句ですが、「淡雪や」の「や」と、「軽き」の「き」の表現に問題が有ります。淡雪や、と切らず、淡雪の、淡雪は、など幾つかの形を模索し、それに続く言葉として、軽き、軽く、軽し、のどれが良いか推敲しましょう。
  淡雪の軽き降る音積もる音
  淡雪の軽く降る音積もる音
  淡雪は軽し降る音積もる音
  淡雪の軽し降る音積もる音
そして、この中で一番自分の思いにぴったり来るのを選びます。文法の問題ではありません。俳句は詩です。作者の感性で選びましょう。

あやふやな記憶のかけら春の雪

最近とみにこのような詠み方の俳句が、若い人の間で流行っているように思います。俳句は、感動を物に託して詠む文学と言われます。31音もあって、あふれる思いを言葉で表現できる短歌と違って、俳句は17音と半分しかありません。そのため言葉で表現しきれない部分を具体的な物に託して感動を読者に伝えます。「あやふやな記憶のかけら」で作者の感動が分かるでしょうか。言葉遊びにならないように、具体的に詠みましょう。

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