2020年3月6日金曜日

今日の二句  その23

すみれ句会で出た句です。

ラウンジの孤独楽しむ春の雪

一読して、春の雪がラウンジで孤独を楽しんでいる、という解釈になりませんか。詩的な表現ですと言われればそうかも知れませんが、毎日勉強している「花鳥諷詠」の詠み方ではないように思います。
     田一枚植えて立ち去る柳かな  芭蕉
の叙し方に似ていると思いますが、私なら、孤独に焦点を当てて次のように詠みます。
     ラウンジに楽しむ孤独春の雪

旗掲げ平和を願ふ紀元節

紀元節とはこんな行事です、と説明をしています。そんなことは日本人の常識ですから、詠む必要は無いのです。それよりも作者は「平和」に焦点を当てようとしたのですから、
     旗掲げ願ふ平和や紀元節
これで、平和に焦点が当たり、作者の思いが読者に伝わりました。「や」で切る快感を覚えましょう。「や」は古臭いという人が有ったら、その人こそ古臭いのです。


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