2020年3月11日水曜日

今日の二句  その24

姫路支部例会の句です。

微笑みし遺影の部屋の余寒かな

微笑みし、では過去の回想の句になりますから、微笑める、と現在形にします。問題点は
微笑むという言葉の持つ方向性(ベクトル)と余寒という言葉の持つ方向性が合っているかということです。結論から言うと、微笑むはプラス、余寒はマイナスの方向性を持つように思います。

    微笑める遺影の部屋や春早し

これで方向性が揃ったように思います。

酌み交はす犬も侍りし猟名残

猟名残という季題は、2月15日の禁猟日を迎えて、もうしばらく猟を続けたいと思う気持ちを内に含んでいます。猟仲間が集まって打上げ会を開いており、活躍してくれた猟犬も連れて来ているのですが、犬が侍るのは猟名残ではなく打上げ会ではないでしょうか。

  猟名残犬も侍りし打上げ会 

 とすれば、下五が字余りですが、取り敢えずすっきりします。 猟名残とは珍しい季題ですが、挑戦してみて下さい。私の従兄が若い時分に狩猟のガイドをしていましたので、猟犬の世話をした事があります。白い紀州犬でした。

勇み立つ犬をなだむも猟名残   伸一路

猟期が終わったことは、犬には分かりませんから。

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