ある句会での句です。
こんな時咲きて良いのか問ふ桜
東京は今年は異常に桜の開花が早かった。関西では未だ蕾が固かった時期に、もう花見が始まっていました。その直後に新型コロナウィルスの感染の爆発が始まったのです。こんな大変な時期に、咲いても良いのだろうかと、自問自答する桜を句にされたのです。
「咲きて」とか「問ふ」と文語体で表現してあるのは良いのですが、「良いのか」という表現は口語体です。文語体なら「良きかと」となるでしょう。口語体か文語体か、どちらかに統一するのが原則です。私は伝統派ですので、文語体で統一しています。
春塵に潜み地球へ魔物来る
この句もコロナウィルスをテーマにしています。ウィルスを魔物と表現したところは面白いのですが、句全体が「春塵に潜んで地球へ魔物が来たのです」という報告になっています。報告では俳句にはなりません。報告は散文、これに対して俳句は韻文。韻文とは詩のことです。詩の形に表現して初めて俳句になるのです。例えばこうしたらどうでしょう。
例)春塵に潜みて魔物地球へと
兵庫県や神戸市関係の公共施設は4月末まで閉鎖が続くようで、4月の本部例会は中止になりました。5月の連休明けまでは駄目かも知れませんね。 お大事になさって下さい。
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