昨日の3月30日で、俳誌「九年母」の主宰に就任して丸5年が経過しました。早いものですね。5周年記念日を祝って、家内とワインで乾杯しました。ビバ・クネンボ!
さて、姫路支部例会での句です。
招かれて娘の家に集ひ暖かし
娘の家に集ひ、という中七の詠み方はどうでしょう。むすめのいえにつどい、では大幅な字余りです。娘と書いて「こ」と読ませますので、止む無く作者は、このやにつどい、と読ませていますが、窮屈です。加えて、中七を「集ひ」としたのは何故でしょう。「招かれて」切れて、また「集ひ」と切ると、いわゆる三段切れになります。三段切れは俳句の調べを乱すもので、避けるべきです。ならば、こうしたらどうでしょう。
例)招かれて集ふ娘の家暖かし
小さき指器用に折りて雛掲ぐ
上五は、ちさきゆび、と五音で読みます。もっと大事な事は、句全体が報告になっていることです。曰く、小さい指で器用に折って雛を掲げたのよ。俳句は詩だから、報告になってはいけません。報告は散文、俳句は韻文だから、文の種類が違います。ではどう詠んだら良いでしょう。器用に折ったことだけで俳句になるので、下五の、掲ぐは要りません。
例)紙雛を器用に折りて小さき指・・・指に焦点を当てた場合
例)小さき指器用に雛を折りにけり・・器用さに焦点を当てた場合
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