連休初日の今日の東京の人出はかなり少なかったようで、乗客ゼロの新幹線が東京駅を発車して行くニュースが流れていました。心配された湘南海岸の人出もほとんど無かったらしく、好転の兆しかも知れません。さて今日の二句。
一天を押し上ぐ枝垂れ桜かな
句の内容の方向性を考えてみましょう、一天を押し上げるとは、下から上へ向かう方向性を感じます。一方、枝垂れ桜は、上から下への方向性を感じます。読者がこの句を読んだ時、方向性の混乱に戸惑ってしまいます。一天を押し上げるならば、桜の枝は上へ向かって伸びて行かないと、方向性が合いません。私の句「咲き満ちて夜空押し上ぐ桜かな」、の動作の方向はどちらを向いているでしょう。
子等の声いつもこの土手蕗の薹
この句の問題点は「この土手」です。この・どの・そのなどの言葉は連体詞と言って体言(名詞)を修飾します。この句の場合は「この土手」です。しかし読者には、「この土手」と言われてもどこか分かりません。どこだろうと思うばかりで、イメージが掴めません。これを「校庭の横の土手」とすれば、自分の体験から、景色が見えて来ます。作者には分かるが読者には分からない表現は、避けた方が賢明です。
例)子等の声聞こゆる土手や蕗の薹
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