全国の小中学校の一斉休校が実施されて、明日でまる2ヶ月が経過します。本部吟行も本部例会も、各地の句会も、ほとんどが中止され、句が出来なくて困っているという話が伝わって来ます。とにかく三密を避けなければいけないので、やむを得ない事ですが、ならば句会をしない吟行と言うのはどうでしょう。句が出来れば各句会で纏めて、私にお送りになれば選を致します。密閉された部屋で多数の人が纏まって話をすると三密になります。こうならないような工夫をしてみて下さい。スマホのラインやメールで句を送って来られる方もおられます。AIに詳しい方は、10名程度がネットで句会を開けるように考えて下さい。先日、息子一家とパソコンのテレビ電話で久し振りに顔を合わせました。便利なものです。句会に活用できないものでしょうか。さて、今日の二句を始めましょう。
果樹園の出荷手伝ふ春の空
普通に読むと、春の空が出荷を手伝っているように解釈されますが、現実的に不可能です。いくら詩だといっても通りません。この句、「果樹園の手伝ふ」と「春の空」と二つのパーツに分けられます。パーツが二つに分かれると、芭蕉の句、「 田一枚植えて立ち去る柳かな 」に似ていて、調べが乱れ、違和感を覚えるのです。どう詠めば調べが良くなるでしょう。例えば、次のようにしたら如何でしょう。
手伝ひし果樹の出荷や春の空
追悼の笛の音響く春の空
先ず、「追悼の笛の音」の意味がはっきりしません。もう少し読者に分かりやすいヒントを提供して下さい。例えば、JR福知山線脱線事故の追悼の日に、現場を通りかかった電車が汽笛を鳴らしたとか。あるいは海難事故や大震災とか。読者がピンと来るように。
もう一つの問題は、「追悼」と言う言葉と「春の空」とが合うかどうかです。「春の空」は麗らかで気持ちが良い。ようやく春になったという感慨もあるでしょう。これに対して「追悼」はどうでしょうか。淋しくて、悲しいものです。ならば、
追悼の響く汽笛や春寒し
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