今日は送り盆。大文字の送り火。各家庭で送り火を焚き、お精霊様を彼の世へとお送りする日です。今年の京都五山の送り火は、新型コロナ感染予防のため、例えば「大文字」は、五つの火床にだけ、点字のように火が灯されるとの事。これも新しい文化の始まりです。さて、今日は、上五・中七を「や」で切って下五を連用止めにする作り方に対する注意です。
朝顔の蔓の気儘や屋根登り
上五・中七は、ふむふむと思いながら読めます。中七の最後を「や」と切ってある。さて下五では何が出て来るかと楽しみに読み進めていくと「屋根登り」。屋根に登る、の事だろうと思いますが、せめて「屋根にまで」と詠むべきです。不思議に思うのは、最後を「登り」と連用形で止める人が多いことです。なぜこんなことになったのでしょう。なぜ、こんな中途半端な止め方をしておいて、出来たと思うのでしょう。一種の癖でしょうね。それを注意する人が無かったのでしょう。
(例)朝顔の蔓の気儘や屋根にまで
涼しさや船より白き水脈をひき
この句は上五で「や」と切りました。ふむふむと思いながら読み進めていきますと、この句も下五の最後が「ひき」と連用形で止めてあります。一度付いてしまった癖が治らないのでしょう。短歌の下の句は七・七であり「船より白き水脈をひきたる」と詠めますが、俳句では、無理に下五当てはめようとして「ひき」で切ってしまうと、尻切れ蜻蛉のような、中途半端な句になってしまいます。止めるべきところはしっかり止める。切るべきところはしっかり切る。中途半端はいけません。
(例)涼しさや船より白き水脈を引く
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